ウクレレ上達の尺度が見えにくくなる言葉があります。

「ウクレレ暦～年」という言葉です。「３年やったらソコソコ演奏できる」とか「５年やったから間違いなく中級者」とか。私は「暦日マジック」と呼んでいますが、暦日だけ重ねるとどうもハクが付く気がします。しかし、これこそが初心者の上達伸び悩みの原因な気もします。

ウクレレ日記の方で何度か書きましたが、１年間は約５２週間です。「週１回、１時間」のレッスンを１年続けると（予習・復習が０分だったとして）５２時間の積み上げになります。対して、毎日１時間の独学を２ヶ月続けると「６０時間前後」となります。

私の経験則でいうと、後者の方が周りの期待値は限りなく低い中で、アウトプットは（前者と比較して）劇的にレベルが高いものが出せるはずです。楽器は、ある程度までは「自転車に乗れるようになる行程」と似ており、１回演奏できるようになれば、ある程度はコツをつかめるでしょうが、ことスタートダッシュに限っては「まとめて取り組む」方が限りなく伸び率が高く出ます。しかも、ガンガン上手くなるものですから「やばい、楽しい！！」みたいなサイクルが回り始めて結局年間５２時間どころの練習では無くなっていく訳です。

初心者の頃の「週１回のレッスン」は個人的には（復習がない場合）「１００教わって、８０覚えて、翌週に６５覚えている」くらいの進捗になると思っています。これは「覚えがめでたくない」とか「ウクレレが難しいから」では無くて単純に「週１回しか触らないから」起こることです。別にウクレレでは無く、仕事でも、ゴルフなどのスポーツでも、資格試験の勉強でも同じことです。「毎日積み上げる」からこそ、頭や体が覚えることを習慣化するんですね。

たとえば、今の私は約４８０日（たぶん６００時間以上）の練習を積み上げているわけですが、それって「週１回のレッスン」に換算すると（練習時間だけを取り出すと）１０年分とかになっちゃいます。でも、実際は１年半しか経過していていないわけで、１０年経過した結果、現在の私レベルの程度のアウトプットを出すのと、２年目にしてグイグイ伸びている印象を与えられるなら、やっぱり後者の方が本人のやる気も出ますし、まだまだ伸びる余地があると思うんですよね（これも結局「暦日マジック」を世の中の大半の人が持っているから起こる事で「１年半でこんなに弾けるの！？」と言うのは、あくまでも暦日を見ているから出る発言ですよね）。

という事で、せっかく「ウクレレを始めよう！」と思ったのなら、その勢いのまま「可能な限り早く、長くウクレレに没頭する」くらいの気構えで「まず、やってみること」を推奨します。特に、GWや夏季休暇、年末年始などまとまった時間があるタイミングならば「ちょっと、この連休は本気で取り組んでみようか」くらいの気持ちで突撃していいと思います。「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、こと物事の習得に際しても例外なく「やる気があるうちにやる」事が、スタートダッシュの秘訣です。最初に無理矢理にでも動く事で「情熱が後から勝手に」ついてきます。

よく考えて欲しいのですが、今の私のハマりっぷりって後から付いてきたもので、結局「好きになるからハマる」んであって、初心者が最初からこんなに毎日バカみたいにウクレレやるテンションがある訳が無いんですよ。やる気って後からついてくるんですね。

逆に、たとえば２０日やってみて仮に（万が一）「ウクレレが向いてない」という結果が出てもそれは、それで良いと思うんです。少なくとも「チャレンジして、音楽は向いていないと解った」方が「音楽に興味はあるんだけど、続けられるかどうか延々と悩んでいる」よりも何百倍も前向きなことだと思います。そうすることで、次のアクション（他の趣味を探すとか）起こせますしね。それを１年かけて「なんだか惰性だなあ」と思うくらいなら、２０日間だけ一生懸命やってみて「あ、なんか無理」とか「お、行けそうだ」って判断できる方が時間に無駄がない気がするんですよね。

まあ、そんなに思うほど悪い結果が出ることは早々ないので、ぜひなるべく短期にたくさんの時間をかけられるように取り組んでもらえれば幸いです。その方がきっとうまくいく確率が上がりますよ。

と言うことで、今日はウクレレ練習の初期の効率をあげるお話でした。

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